総資産回転率

用語の意味

総資産回転率とは、会計期間(通常1年間)において、売上高をあげるために総資産が何回転したかを見る経営効率指標の一つである。 例えば、総資産100万円で年間売上高1,000万円(総資産回転率は10回転)の企業Aと、総資産1,000万円で年間売上高1,000万円(総資産回転率は1回転)の企業Bとでは、企業Aの方が資産効率が良いと言える。 総資産回転率の計算式は下記のようになっており、これは企業の貸借対照表及び損益計算書の値を用いることで確認が可能である。

計算式

総資産回転率(回転)= 売上高 総資産

具体的な計算例

例えば、年間売上高が1,200万円、総資産(貸借対照表の資産の部合計)が600万円の店舗であれば、総資産回転率は「1,200万円 ÷ 600万円 = 2.0回転」となる。 これは、保有している総資産の金額に対して、1年間の売上高がその2倍の規模に達したことを意味する。

同じ600万円の総資産を持つ店舗でも、年間売上高が900万円であれば「900万円 ÷ 600万円 = 1.5回転」となり、先の店舗より総資産回転率は低くなる。 下の表はこの2店舗を比較したものである。

項目 A店 B店
総資産 600万円 600万円
年間売上高 1,200万円 900万円
総資産回転率 2.0回転 1.5回転

自店舗の数値を計算する場合は、FreeSMATの財務諸表分析ツールに売上高・総資産の実績値を入力すると、総資産回転率を自動で計算できる。

総資産回転率が低いときに確認したいこと

総資産回転率が思うように上がらない場合、総資産(貸借対照表の資産の部)の中に、売上高に直接結びついていない部分がないかを確認するとよい。 代表的な確認ポイントは次のとおりである。

  • 売れ残った商品が在庫として長期間積み上がっていないか
  • 稼働していない設備や、使っていない店舗・不動産を保有していないか
  • 必要以上に現金・預金を積み上げていないか
  • 売掛金の回収が遅れ、資産として残ってしまっていないか

これらはいずれも、貸借対照表上は資産として計上される一方で、当期の売上高には結びつきにくい項目である。 総資産回転率が低いときは、まず総資産の中身を項目ごとに見直すところから始めるとよい。

業種による水準の違い

総資産回転率は、業種によって水準が大きく異なる指標である。 工場設備や店舗・倉庫など多くの固定資産を必要とする製造業や不動産業では、総資産回転率は低くなりやすい。 一方、仕入れた商品の販売を繰り返して売上高を積み上げる小売業・卸売業や、大きな設備投資を必要としないサービス業では、総資産回転率は高くなりやすい傾向がある。

そのため、総資産回転率を評価する際は、異なる業種の数値と単純に比較するのではなく、同業他社や、自社の過去の実績(前期・前々期)との比較で見ることが望ましい。

ROA(総資産利益率)との関係

総資産回転率は、ROA(総資産利益率)とも関係が深い指標である。 ROAは「当期純利益 ÷ 総資産 × 100」で求められるが、これは「売上高利益率(当期純利益 ÷ 売上高)」と「総資産回転率(売上高 ÷ 総資産)」を掛け合わせた値としても表すことができる。

つまり、ROAを高める方法には、利益率そのものを上げる方法と、総資産回転率を上げて資産を効率よく使う方法の2つがあることになる。 FreeSMATの財務諸表分析ツールでは、ROAと総資産回転率をあわせて計算できるため、両方の指標を見比べながら、どちらに改善の余地があるかを確認するとよい。